ひがやすを技術ブログ

電通国際情報サービスのプログラマ

オープンソースのビジネスモデル

オープンソースのビジネスモデルについて、一度本音を書いておこうか。きっかけはこの辺のエントリ。
http://www.infoq.com/jp/news/2007/09/open-source-models
http://blog.interface21.com/main/2007/06/11/nonsense-about-open-source
http://d.hatena.ne.jp/shot6/20070911#1189471354
http://d.hatena.ne.jp/masataka_k/20070910/1189405185
現在のエンタープライズオープンソースでは、商用ソフトと同等の質とサポートが求められています。三菱東京UFJの案件でもクリティカルなユーザがオープンソースに求めることとして次のことがあげています。

  • 実績のあるOSSの選定と提案
  • ホットフィックスの提供
  • 問い合わせ窓口
  • 研修カリキュラム

http://journal.mycom.co.jp/articles/2006/10/03/ufjis/001.html
はっきりいって、趣味でできるような軽さではありません。「自分たちがこんなすごい機能作ったからみんなに使ってほしい」なんて甘っちょろい世界でもありません。極端なことをいうと機能の良い悪いなんてある意味どうでも良くて、維持し続けることが重要なんです。
コードを書くだけなら簡単です。でも、それを維持し続けるのはその何倍ものコストがかかります。それを趣味の範囲でやるのは無理でしょう。
それでは、企業がオープンソースをビジネスでやるというのはどうでしょうか。開発と維持を企業がやるのです。
これも結構難しい。商用サポートやコンサルで得られるお金はたかが知れてます。オープンソースの開発者は、コードを書かなければ意味がない。そして、コードを書けば書くほど、収入が得られる機会(時間)は減るのです。
開発をほとんどせず、サポートに徹すればビジネスとして成り立つかもしれない。でも、開発をしないんじゃ意味がない。ソースコードが書きたくてオープンソースを始めたんだから。でも、ソースコードを書けば書くほど収入が得られるチャンスが減るというこの矛盾。
オープンソースを開発・維持する専門の会社を作る場合、単独で収支を合わせるのは無理で、ベンチャーキャピタルに金を出してもらって、上場するか、他の会社に高く買われるってのが落しどころなんじゃないかなぁとおもいます。
もう一つ、オープンソースを開発・維持していけるモデルがあります。企業がオープンソースの活動を社会奉仕して捉え、良いパトロンになること。
金の収支は合いませんが、お金だけが重要なわけではありません。社会貢献による企業のイメージアップやより良い人材の確保につながる可能性もあります。
SeasarプロジェクトとISIDの関係がそういう関係。ISIDはSeasarプロジェクトのコミッタを5人雇って、自由にオープンソースの活動をすることを認めています。自由といっても、決められた予算(時間)の範囲内に限られますが、会社からきちんと認められているということは重要です。Dayワークでオープンソースの活動をできるということが重要なのです。
オープンソースを収支で考えるのは似合わない。社会貢献として認識すべきではないでしょうか。