ひがやすを技術ブログ

電通国際情報サービスのプログラマ

モッチーの国際競争力という上から目線

ことの発端はこの辺。

国際的に競争力のある産業の中核で働いているエンジニアは幸福感がある。

確かに、国際的に競争力のある産業の中核で働いているエンジニアは幸福感があるかもしれない(これも怪しいと思うけどね)けど、こんな風にかかれると、国際的に競争力のある産業の中核以外で働いているエンジニアは、幸福感は得られないという主張に見える。

残念ながら,日本のソフトウエア業界というのは過去の歴史において国際競争力を持ち得なかった。

あるいは、新しいところで競争力を生んでほしいですよね。ネットの世界はこれからなんです。まだ勝負がついていない。

 いわゆるシステム・インテグレーションの業界は,1970年台から競争が始まって,30年かかって今の秩序ができあがった。30年かかってできたインダストリの構造を,ひとりふたりが頑張ったって変えられないですよね

この文章の裏には、日本のソフトウエア業界は過去の歴史において国際競争力を持ちえなかったからダメだけど、ネットならまだ勝負はついていないからこれからがんばれる。でも日本のソフトウエア業界は勝負ついているよねという風な主張に見える。
これって、日本のソフトウエア業界にいる人、特にシステム・インテグレーション業界にいる人からみれば、違和感のある発言ですよ。SI業界は、過去に国際競争力を持たなかったし、これからも変えられないっていってるんだから。
はっきりいって、今の日本のSI業界にいない人から、こんなに上から目線でものを言われたくない。
俺は、日本のSI業界を変えたくていろいろ試行錯誤してる。つい先日、プログラミングファースト開発という試みも発表した。ブクマのコメントやトラックバックで本当に多くの人から意見をもらった。みんな日本のSI業界について本当に真剣に考えている。こんな真剣な人々に対して、SI業界は、過去に国際競争力を持たなかったし、これからも変えられないと主張することがどういう意味を持つのか梅田さんにはもう一度考えて欲しい。

羽生さんの意見も的を得ていると思う。これもモッチーに送る。

で、ここから暴言モードね。国内で勝ち抜けない程度の自分のレベルが低いうちから世界とか何とかいうな、と(w まずは日本でトップに立ってみろ、と。ゲーム業界がどったらこったらとかいうけど、クソゲーは世界に出してもクソゲーでしかないよ。んで日本でトップになるには、まずは地区予選で一位になって当然なんだよ。例えば私は大阪出身だけど、大阪でトップになるってことですよ。私はなれてないけど。今は江戸川区で会社をやってるから、江戸川区でトップになることを目指してます。あ、江戸川区の方お仕事お待ちしておりますm(__)m それはさておき、要するに今いる場所で誰からも認められるくらいのことをやらないと駄目だろうと。今いる会社の中でさえダントツのトップになれない程度で、何が日本か、何が世界か、何が社会か。日本なめんな、世界なめんな。競争ってのは競うんだよ、争うんだよ。勝ち負けきっちりつけるってことだよ。例えば失注したら負けなんだよ。負けて悔いなしといっても、負けは負け。

じゃあそこで自分はいったい何を競うのさ? それが技術でも何でもいいんだけどさ、プロとして突き詰めていくと、結局は誰かのお役に立つということで競うってことなんだよ。他の誰よりもあなたに頼りたいと思ってもらえることで競っていくんだよ。自分が幸せを感じられない状態で、他人のお役に立つなんてゆとりは生まれないよ。そうすると結局お役に立てない程度に留まっちゃうんだから、競争を勝ち抜けないんだよ。だからまずは「そもそも自分自身の幸せってなんだろう」ってことを突き詰めないと駄目なんだ。それを考えるのは大変だし意外と苦しかったりするわけさ。だけど、だからといって曖昧にしてる限り不満の捌け口として耳障りのいい言葉に煽られるだけで、結局何も変わらない。必要なのは自分自身の現実と向き合う覚悟だよ。世界云々の前に、自分の中にいる怠惰さと競え。まずは自分自身の中で最高と思える自分を目指すところからだよ。そうやって踏ん張ってりゃ、気がつきゃ勝手に世界が後ろをついてくるようになるんじゃないのかな。

国際競争力というのは結果でしかないのではないか。広くあまねく、より多くの人たちに必要とされることで、結果として国を越えて必要とされるようになり、他の類似の商品・サービスよりも必要とされることで、競争力があるという評価が後付けされるだけではないか。

幸せになるために国際競争力をつけよう、というのは、何かおかしいのではないか。少なくとも私はいびつさを感じる。順序が違うと思うよ。日本はとか世界はとか言う前に、目の前の相手に認められるところからだよ。上司の愚痴を言う前に、そんなバカ上司にさえ認めてもらえない自分の非力さを何とかするところからじゃないのかな。耳障りのいい言葉に煽られて自分の現実から目をそらしたって、何も変わらんよ。

弾さんのオープンソースプログラマーが存在できるのは、国が国際競争力(というより裕福)をもっているからというのは納得できるんだけど。