ひがやすを技術ブログ

電通国際情報サービスのプログラマ

NTTデータの黒船コンプレックス

日本のソフトウェア産業とかSI業界が世界に出て行けない要因は気合いとか技術力ではなく産業構造や規制に起因していることが分かったし、日本でトップに立った会社が世界に出て成功するかというと難しいと感じている。

日本のSI業界は、「世界に出て行けない」んじゃなくて「世界に出て行く必要がなかった」というのが、事実だと思いますよ。国内で儲かっていれば、リスクを犯して海外に進出するメリットがないもの。
自動車産業だって、国内では十分に成長できなくなったから、海外に進出したんでしょう。
国内のSI市場が既に飽和しているかというと、そんなこともないと思います。これは、あくまで自分の感覚ですが。
でもうまみのある儲けの機会が減ってきているのと、海外から黒船が来日している、だからNTTデータのようなこれまで成長を続けていた企業が騒ぎ出しているんだと思う。

「自動車のような産業構造に再編すべきだ」。NTTデータの山下徹社長はインドや中国など海外ソフト会社が日本市場に本格進出してくる前に、ソフト産業の構造改革を実行する必要性を説く。日本のソフト産業が崩壊の危機にあるからだ。

これは、日本のソフト産業が崩壊の危機にあるわけではなく、NTTデータを頂点とする超大手SIerのビジネスモデルが崩壊の危機にあるということです。

ぶっちゃけ、公共系が分割発注の入札制になり、儲からなくなっているから。これなんかもそう。

年間運用コストが500億円超に上る巨大システムの刷新を進める社会保険庁は8月21日、新システムの基本設計を請け負うベンダーを競争入札により決定した。アクセンチュアNTTデータ日立製作所の3社が請け負う。

 新システムは、これまで一つのシステムとして開発・保守していたものを、五つに分割して基本設計の入札をかけた。そのうち四つが業務アプリケーションであり、一つが各アプリケーションが共同利用する基盤ソフトウエアである。

 基盤ソフトウエアの基本設計は、アクセンチュアが19億7000万円で落札した。被保険者の資格取得などの業務アプリケーションと保険料徴収関連の業務アプリケーションはNTTデータが落札し、前者は18億3856万2000円、後者は13億3551万3000円で請け負う。保険料給付関連の業務アプリケーションは日立製作所が2億4500万円で落札した。また、資料作成支援などの業務アプリケーションは、「提示価格が想定した金額の6割以下だったので、適切に遂行できるかどうかを調査中」(社会保険庁)という。

日本の官公庁にも食い込む外資コンサルをみても、この辺の動きが良くわかるでしょう。

データもこれまでのやり方だと、今後の成長は望めないから、違うビジネスモデルを試行錯誤しているわけです。それが、「自動車産業のまねをすること」とはがっかりですが、危機感を持って変わろうとしている。

データ以外のSIerだって、危機感を持って変わろうとしている最中でしょう。生き残るために、必死になれるところは、それだけ生き残れる可能性が増えるでしょうし、危機感のない会社はつぶれるだけ。

何度も言うけど、意思があって努力すれば、この業界を良くする可能性は十分にある。

大谷さんが書いているように日本の技術力は結構高い。

JavaOneを通じて、少しだけわかったことがある。

日本の技術者レベルは低くないどころか非常に先進的で高いです。

世界レベルがーーー、とか全然気にしなくていいよ。君らが世界上位レベルくらいの気持ちでええと思う。

自信もっていいと思うな。ただし技術者の数の問題ってのは物理的にあるかもしれないけどね。

大量にあるレベルの技術者を準備してみたいなのをって言われると明確にきついとはおもう。

ただし、おごちゃんが書いているように、それをビジネスにできる経営者が欠けているのも事実だと思う。

でも、「日本のIT産業」に必要な「経営」とか「営業」の鋭さの欠如、あるいは「企画力」の低さは絶望的だし、「日本のIT産業」の振興の足を引っぱる一番の要素だ。

だからといって絶望する必要はない。必要なら自分がやればいいだけの話だから。才能は、努力する中で生まれるものだと思う。
努力の大切さについては、ちょっと頭のいい(天才じゃない)コンプレックスをどうぞ。