ひがやすを技術ブログ

電通国際情報サービスのプログラマ

限定したことしかできない人が現場では多い?

アーキテクト以外は「限定されたことだけやっとけ」のエントリに対する意見として、実際の現場では、限定されたことしかできない人が多いんだから、理想論いっても仕方がないんじゃないという意見が結構ありました。
本当にそうなんですかね。
確かに、「仕事は仕事として、人生は別に楽しもう!」って人は多いと思いますが、それと、仕事にやりがいがなくても、金さえもらえればそれで十分というのは、違うように思います。
だれでも、やりがいのある仕事をしたいし、自分の仕事をいろんな人に認めてもらって、達成感を得たいと思っているはず。
しかし、「(時間がない状況で)言われたことだけやっておけ、説明する時間も、確認する時間もとれないけどな」という現実が、やる気のない人を生み出しているのではないでしょうか。
これは、会社にとっても、その人にとってもマイナスです。多少時間をかけても、ちゃんと説明してあげる、動機付けをしてあげることが、短期的に見てもプロジェクトにとってプラスになると思います。
こう書いても、「所詮正論」といわれてしまうかもしれないので、自分の経験を書いておきます。
2002年のある案件が途中で失敗し、私は手直しするために大阪に呼ばれました。一度失敗しているので、納期も最初から過ぎていて、かなり厳しい納期が突きつけられていました。
みんな朝から夜まで仕事ですよ。いわゆるデスマってやつ。もちろん、時間は最初から足りないんですが、私は、自分のチームのメンバに、この案件で学んで欲しいことってのを最初の段階で伝えました。
例えば、私と東京でフレームワークの開発をしていたメンバになら、「xxxさんは、これまで、フレームワークの開発を中心にやってたんだけど、ユーザの要件を実装するのも勉強になるのでやってみよう。」
別のメンバには、「これまで、実装したことが正しいって確認は、目見でやってたかもしれないけど、JUnitというテストツールを使えば、何度も同じテストを自動で流せるから、修正してもデグレしにくい。なによりもテストがOKになったときは、グリーンバーが出て気持ち良いんだ」
見たいな感じで、動機付けをしました。そして、仕事の時間を使ってXP実践記を読ませました。テスト重視の開発で、成功するイメージを持ってもらうためです。
最初から時間は足りないんですが、良いんですよ。メンバのモチベーションが上がることが、最終的には、仕事が早く終わると知ってるから。
目の前の仕事の時間がなくても、メンバの教育、メンバのモチベーションアップの時間は確保したほうが良い。そのほうが、最終的には、うまくいきます。
上記の案件は、きちんとリスケ後のスケジュールも品質も満たすことができました。