ひがやすを技術ブログ

電通国際情報サービスのプログラマ

Seasar2はRailsのマネだという人にそろそろ一言いっておくか

まとまって読めるものがないと、伝わらないと思っていたので、ずっとスルーしてたけど、「Seasar2によるスーパーアジャイルなWeb開発」が本屋に並び始めたので、そろそろ言っておこうか。
最初にHTMLを書いて、やりたいことが決まったら、そこから、Javaのクラスを自動生成していく開発スタイル(ページ駆動開発)は、「他ではほとんど行なわれていない」かつ「有効」な技術で、「Railsのマネ」なんかじゃないと思うよ。DoltengRailsのようにテーブルからscaffoldもできるだけで、本命は「ページ駆動開発」です。
もちろん、Seasar2は、Railsから多くのものを学んでいます。一番学んだのは、「動く状態を常に保ちながら開発していく」ということ。これを実現するために、HOT deployを完成させたわけです。
たぶん、多くの人が勘違いしているのは、CoCの概念をSeasar2Railsから学んだということ。「適切なルールを守っていれば設定をしなくてもすむ」という考えは、2004年の4,5月くらいから開発されているS2Daoの中で、既に実現されています。当然、私が最初に考えたわけではなく、Configuration by Exception(例外的な場合のみ設定する)の言う概念は、Javaの世界では前からあったはずです。
Railsのすごいところは、CoCをキャッチーに広めたこと。そしてその概念をきちっと確立したこと。私は、「適切なルールを守っていれば設定をしなくてもすむ」という概念は、頭の中にはあったけど、適切な言葉で表せるくらい確立していなかったから。
最後に本を書くときに心がけたことを書いておきます。

Seasar2によるスーパーアジャイルなWeb開発 (WEB+DB PRESS plusシリーズ)

Seasar2によるスーパーアジャイルなWeb開発 (WEB+DB PRESS plusシリーズ)

この本を書くときに一番心がけたのが、さくさく読めること。この本のテーマは、さくさく感のある開発です。だから本もさくさく読めるものにしたい。
また、この本の中では、「ちょっと作業(プログラミング)したらすぐに確認」ってのを、一歩一歩やり続ける「ステップバイステッププログラミング」の取り上げていますが、この本も同様に「ステップバイステップリーディング」ができるようになっています。「ちょっと読んだら(リーディング)したらすぐに(ハードコピーで)確認」できます。