ひがやすを技術ブログ

電通国際情報サービスのプログラマ

下請け構造がなくならないのは大手SIerの社内人件費単価が高いから

今のSI業界は、大手SIerを中心とした多重下請け構造ですが、その原因の1つには、「大手SIerの社内人件費単価の高さ」があります。
ここでは「社内人件費単価」の意味をプロジェクトに課せられる社員一人当たりの単価とします。


大手SIerでは、社内人件費単価が外注の単価と比べて、べらぼうに高いことが多い。だから、プロジェクトマネージャも利益を出すために、社員の数を抑え、できるだけ外注しようとするのです。
なぜ、大手SIerの社内人件費単価が高いかというと、1つは、大会社であるため、オーバーヘッドが大きいことです。もう1つは、もともとの人件費の単価が高いこと。優秀な人を集めようとすると、必然的に単価を上げざるを得ません。
それ以上に大きな原因は、単価を下げようとするインセンティブが働かないことです。


大手SIer通しの競争もありますから、ぬるま湯なビジネスをやっているわけではありません。
見積り額の削減案を経営側から考えて見ましょう。コストの中で、社員の占める割合は、微々たる物です。単価が高いため利益を確保するために数を減らそうとするためです。そうすると、社内人件費単価を多少下げても、たいしたコスト削減にはつながりません。
実際にコストを大きく占めているのは、外注費です。だから、単価を下げようとする動きは、外注先に向かうわけです。そして、その外注も自分たちの利益を確保するために、また、別の外注の単価を下げようとする...ry


カンブリア宮殿に、キョウデングループ会長の橋本さんが出ていたとき、大手のメーカーの下請けをやるのにむかついて、少量スピード生産のプリント基板製造をはじめたおかげで、成功したといってました。
これが、良いヒントになるといいんだけど。
おいらは、日本のSI業界のためには、多重下請け構造は、崩壊させたほうがいいと思っています。下請けとかじゃなくて、全部自分たちでできるようにするほうが、生産性もあがるし、不毛な仕事を押し付けられることもなくなるしね。