ひがやすを技術ブログ

電通国際情報サービスのプログラマ

おいおいRodがOracleにけんか売ってるよ

SpringOneのkeynoteでRod(Springのfounder)がOracleにけんか売ってますね。


Rod does not believe Oracle will contribute to Java innovation because
*Oracle is not an innovator
*Oracle acquisition is for Wall Street not developers
*Oracle is focused on making money not innovating
詳しくはこちら。
Keynote: The Future of Java Innovation


企業がやってるんだから、making moneyにフォーカスするのはある意味当然でそんな違和感はない。ただ、Oracleにだけ都合が良いように仕様を決められると困るけど、さすがにそんなことはないでしょう。世間の信用失うから。
それに、お金にフォーカスしているのは、最近のSpringSourceもそっくり同じことが言えるような。
InfoQってほとんどコメントつかないんだけど、今回ネガティブなのが多いのは、みんな違和感を持ったからでしょうね。

  • The spring crowd really needs to stop using FUD around Java and JEE to push its own agenda.
  • Yup, innovation for Java will stall, except at SpringSource of course. So open your checkbooks now and buy tc Server.
  • Obviously Rod views Oracle as good competition to have ;-)
  • I'm so sick of spring hype.


なぜ、SpringがOracleにけんかを売る必要があるのかが良くわからない。Googleにけんか売るなら、ある程度はわかるんですよ。Google App Engineは、非連続なイノベーションだから、Springにとってはこれまで築いたものがそのまま使えないリスク(昨日も書いたようにApp EngineのSandboxはいろいろ制限があって既存のフレームワークはそのまま使えるわけではない)がある。
このあたりの話は、GAE/Jは破壊的イノベーション - yvsu pron. yasでも書きました。


だから、SpringはAmazonOracleと組んでCloudに取り組むんじゃないかと思っていただけに、今回の態度は理解できないわけです。


今回の現象をOracleにけんかを売っているという風に見ると理解できないのですが、Oracleにけんかを直接売っているのではなく、実は、Java EEにけんかを売っていて、Java EEの総代表としてOracleを選んでいると考えるとどうでしょうか。
たぶん、ビンゴ。
もともとRodは、EJBにけんかを売ってきた人だからね。Java EEをすべて実装しようとするととてもお金がかかって大変です。だから、仕様を絞れるようにWeb Profileだとか作ろうとしたんだけど、結局、EJBJSFJPAも入って重くなってしまった。Web Profileをやるのもしんどいので、自分たちに必要なものだけを実装したプロダクトを出したい。
そのときに、標準にこだわる人がいると困るので、今のうちに標準をつぶしておけということでしょう。
Googleと組んでDependency Injectionの仕様をJava SEでもできるように出してきたのもこれで説明がつきます。
詳しくはこちら。
Java EE終了のお知らせ - yvsu pron. yas


EEの標準はだめで、SEの標準だといいってことかな。ちょっと変な気もするけどまぁいいや。
個人的には、App Engineにシフトしたので、この辺のいざこざは完全に傍観者モードですが、こうやって仮説を組み立てるのは勉強になるんですよ。直ぐに実際の答えも出るだろうから、そのときに仮説のどこがあっていてどこが間違っていたのかを検証し、さらに良い仮説を出せるように経験をつめばいい。
自分が何か新しいことをするときも、仮説を立ててやらないければいけないからね。


Seasar2も今のままでメンテナンスされていく(外部要因の影響を受けない)ので、近未来に起こるであろういざこざには巻き込まれずにすみます。