ひがやすを技術ブログ

電通国際情報サービスのプログラマ

「Seasarの問題点など」にそろそろ一言いっておくか

2009-01-29
最初に言っておくと、結構いい指摘だと思います。せっかくなので、私のほうでも答えましょう。

だから、メンテナンスの不安の問題は、メンテナンスが行われてないということではなくて、メンテナンスが行われているのにメッセージとして発信されていないということだと思う。

ひがさんは上にあげた以外にもちょこちょことSeasar2のメンテナンスは続けられるということをブログに書いているのだけど、やはりブログという刹那的な形態ではなく、公式サイトに常設されたメッセージとしてメンテナンスをやっていくよということを書いていないといけないと思う。

これは、おっしゃるとおり。ただ、こういう政治的なメッセージは、理事会のほうから出したほうがいいと思います。そういう流れで、打ち合わせも進んでいたはず。
私は、プロダクトを作ることに専念するために、理事を辞めたので、プロダクトを作ることに専念したい。それは、誰もが望むことでしょう。

現状では、いまからSeasarを使おうとしても、いろいろなプロダクトがあって何を使っていいかよくわからない。
特に問題なのは、いろいろな技術に対して複数プロダクトがあって、どれがどうなのかまったくわからないということだ。公式サイトでは、プレゼンテーション、永続化とコンポーネントが分類されているけど、それぞれのコンポーネントは古いものも新しいものも平等に扱われているので、違いがわからない。

平等に扱うのは悪くないと思いますよ。ユーザも自分の好みで選べば良い。ただ、無責任に何でも自由というのは良くないので、SAStrutsS2JDBCの組み合わせが、もっとも無難だというメッセージを出しているわけです。
これは、Springでも一緒でしょう。Springのほうは推奨パターンもなく、もっと選びにくいはず。

開発者が開発したいものを開発するというボトムアップも大切だけど、戦略的にトップダウンで作るものを決めるということも大切だと思う。
こういう、戦略的に開発を行える体制を作るというのがやっぱり大切じゃなかろうか。実はこういうところが、上記のメンテナンスの不安やどのプロダクトを使っていいかわからないということにもつながっていると思う

戦略的にトップダウンで作るものを決めるということは、大切でしょう。
Seasarプロジェクトは、ボトムアップを大切にしていますが、ポイントでは、トップダウンで決めています。
例えば、SAStrutsは、かなり戦略的なプロダクトです。S2Strutsというそれなりに使われているフレームワークがあり、かつTeedaというそれなりに人気のあるプロダクトがあったにもかかわらず、出したわけです。
S2JDBCも一緒です。S2DaoというSeasarで一番人気のプロダクトがあったのにもかかわらず出したわけです。
これは、キャズムを超えるためです。詳細は下記のエントリをどうぞ。
Seasarに関してこの2年間やってきたこと - yvsu pron. yas
この決定は、Seasarプロジェクトの運命を左右しかねない戦略的な決定です。
ワークフローエンジンなどの機能は、必要な人には必要ですが、必要としない人もいます。戦略的な機能といえるかどうかは疑問です。
自分で戦略的に重要だと思っているプロダクトは、自分で取り組み、そうでないプロダクトは、作りたい人に任せるってのが、いいと思うけどね。

これまでははぶさんがアプリケーション上の提案、ひがさんが技術的な提案をして、それをまさたかさんがまとめるという形になっていたと思う。けど、いまはそれに変わる体制というのはない。

これは、認識が間違っていますよ。もちろん、はぶさんもいつくか機能の案を出しているけど、それ以外にも、多くの人がすばらしいアイディアを出しています。DBFluteとかCubbyだとかYmirだとか、他にもいろいろ。
はぶさんが偉大なのは、コミュニティをまとめる力です。はぶさんが抜けて、コミュニティの団結力というのは、確かに弱くなった。
これは良いことではないけど、かならずしも悪いことでもない。ある程度の規模になると、「なかよしこよし」でいられないのは、どこの組織でも一緒でしょう。


サイトの構成を変えて、Seasar2の継続性と無難な推奨構成を提示するのは重要なことですね。ぜひ取り組みたいと思います。