ひがやすを技術ブログ

電通国際情報サービスのプログラマ

SIerが自動車産業をまねしようとするのはいい加減やめなさい

「自動車のような産業構造に再編すべきだ」。NTTデータの山下徹社長はインドや中国など海外ソフト会社が日本市場に本格進出してくる前に、ソフト産業の構造改革を実行する必要性を説く。日本のソフト産業が崩壊の危機にあるからだ。

パッケージベンダが自動車産業を参考にするのは、100歩譲るとありかもしれない。消費者に受け入れられるだろうという予想にもとづきプロダクトを開発していくモデルだから。
でも、やっぱないな。車は、多少の違いがあっても、どれも基本的な構造は同じ。パッケージは、いろんなものがあるからね。
それに対して、SIは一品ものだもの。規格(パッケージ)通りじゃないものを作るのがSIです。

マフラーだけを作るソフト部品会社、タイヤだけを作るソフト部品会社と、システムインテグレータと呼ぶシステム組み立て会社に分業化することで、インテグレータはソフト部品会社から調達した部品を組み合わせてシステムを構築する。

自動車だと、同じマフラーを作り続けることができるけど、システム開発の場合は、同じマフラーを作ることは意味がない。同じプログラムを作り続ける意味がないからね。
SIにあてはめると、外部設計を作り続ける会社、内部設計を作り続ける会社、プログラムを作り続ける会社に分業化するってことでしょ。
今と一緒ジャン。そして、インテグレータが上澄みをはねていくと。
マジでいっておくと、今のSIerの生産性が低いのは、要件定義、外部設計、内部設計などの各工程で、分業(別会社に発注)をやってるせいです。分業するからコミュニケーションロスが発生する。
ついで(?)だから暴言を吐いておこう。

最近うんざりしているのは、自ら作った(or用意した)フレームワークを案件にバーターしてくるSIerがいることだ。
SIerから仕事を請けているソフトウェアハウスの多くは、コンペで低く抑えられた発注金額や単価を生産性や熟練度でカバーするために自社又はOSSフレームワークを採用することが多いのだが、プラットホームやミドルウェアならまだしもフレームワークまで押し付けられると、こういった目論見がパーになるのである。

規格化しようとして、設定ファイルだらけのフレームワークを押し付けてくる。
品質を確保するために、フレームワークを用意するのは、SIerとしては当然のことだと思うけど、そのフレームワークや作りが一昔前のものであることが問題なんだと思う。

豪華客船型フレームワークは作るのに時間がかかるので設計が大袈裟で古い。(大抵は3?4年前の設計だ)また、特定のオーサリングツールや開発環境にロックインしているフレームワークはその部分が陳腐化するのが早い傾向にある。(対象にしているツールのバージョンも古いことが多い)

古い体質のSIerが、日本のIT業界をだめにしているのは間違いない。
うちの会社もSIerなんで、SIについてはいつも考えてるけど、これからのSIerは、分業などせずに全部自前で構築できるようになれることが、重要だと思う。
うちの会社もその方向に引っ張っていきたいと思っています。